故郷荒廃に悲しみと憤り とみおか未来会議 町民が本音の声

主に福島県内に避難する富岡町民約160人が16日、福島県郡山市のビッグパレットふくしまに集まり、町民の意見を自治体と国へ伝える公開討論会「とみおか未来会議」(=写真)を開催した。会議は、とみおか子ども未来ネットワーク(市村高志代表)が主催した。

主催者挨拶に続き、震災から2年間撮りためた富岡町の映像を音楽とともに上映。津波被害にあった沿岸部、破壊された富岡駅、荒れた町並み、歪んだ道路、廃墟のような家々、放し飼いになった牛、誰も見ていない場所で満開に咲く桜並木などが次々と大画面に映し出され、「どんどん荒廃していく大切な故郷に悲しみと憤りでやり切れない」と町民の気持ちが字幕として映像に重ねられた。各地で開かれてきたタウンミーティングで「帰りたいけど本当に帰ることができるのか」等、町民の本音をスタッフが声を詰まらせ読み上げる場面もあった。

公開討論会では、遠藤勝也町長が、「今日は国から代理出席もなく大変残念。このような大事な討論会なのに、担当の官僚も来ない」、「町では1mSv以下を目指している。ただこの数字の科学的根拠を示してほしいと思う」と述べた。

タウンミーティングでは「『仮の町』ではとりあえず『仮の人生』?」「無意味な除染にお金を使わないで」など、町民の声が紹介された。具体的な課題としては、二重住民票の必要性、警戒区域の解除と区域再編の問題、財物賠償の問題などが指摘された。


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