完成がさらに遅延 フィンランドのOL3計画

フィンランドでオルキルオト3号機(OL3)(PWR、172万kW)の建設を進めているテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は11日、供給業者である仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合が提出した最近の進捗報告書によると、同炉の発電開始日程がさらに遅れ、2016年になる可能性が出てきたと発表した。世界初のアレバ社製・欧州加圧水型炉(EPR)となる同計画の遅延により、同型設計を採用した世界のその他のプロジェクトへの影響も懸念されている。

2005年8月に本格着工したOL3の完成は当初、09年に予定されていたが、供給業者がフィンランドの規制体系に不慣れであることや下請け業者による土木作業に時間がかかったこと、冷却系配管を再鍛造したことなどにより、完成予定年はこれまでに幾度となく先送りされている。

TVOによると、最も近い過去の完成予定年は14年だったが、供給業者は未だに作業スケジュール全体の改訂版と最新の完成予定年を提示していない。また、圧力容器など大型機器を含めて設備据え付け作業の75%が完了し、タービン設備の最初のシステムも起動する一方、計装制御(I&C)系の設計が計画通りに進んでいないことから、さらなる遅延も予想されるとしている。

建設作業の遅れに伴い、総工費も大幅な増加が見込まれるが、TVO側は同計画が30億ユーロの固定価格によるターンキー契約である点を強調。責任の所在は供給業者側にあるとの立場を崩していない。一方、アレバ社側は同日、これに反論する声明を発表。「I&C系の詳細設計について最終承認が得られるよう、TVOには一層積極的な協力を要請したが、同社は相変わらず計画を適切に進めるための義務を十分果たしていない」と指摘している。


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