ホット試験開始を了承 規制委 福一・多核種汚染水処理で

原子力規制委員会の専門家会合は21日、福島第一発電所における処理水の放射性物質を低減させる「多核種除去設備」(ALPS)のホット試験開始を、使用済み吸着材や生成物を収納する高性能容器(HIC)の安全対策確認などを前提に認める考えを示した。

汚染水処理で、主にセシウム除去が既設設備で行われているところ、ALPSでは、タービン建屋等への雨水、地下水の流入にも対応可能な処理能力を有し、他の62核種についても法令濃度限度以下に除去する。工程は、処理対象水に含まれるコロイド状、イオン状の放射性物質を選択的に吸着処理し、吸着材は、所定の容量を通水した後、交換のためHICへ排出し保管する。

21日の規制委会合で、東京電力は、これまで指摘のあった漏えいが発生した場合の回収訓練などについて追加説明。これに対し、同委は、ALPSに関する計24項目の確認事項を整理し、今後、実際の運用形態によるHIC落下試験、漏えいを想定した収拾体制の整備などの他、本格処理に向け高線量廃棄物発生に伴う総合的なリスク管理のあり方、長期的保管について検討することを求めた上、ホット試験開始を了承した。


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