新長官に元次官のモニッツ氏 米エネ省

米国のB.オバマ大統領は4日、米エネルギー省(DOE)の新長官に元DOE次官で核物理学者のアーネスト・モニッツ・マサチューセッツ工科大(MIT)物理学教授(68)(=写真)を指名した。上院で承認されれば、2月に辞意を表明したS.チュー長官の後任として就任する。

モニッツ教授は72年にスタンフォード大で理論物理学の博士号を取得。翌年からMITに迎えられ、91年から物理学部長のほかに加速器センター長など、大学および政府の複数の関係研究機関で要職を担う。

B.クリントン政権下の95年から大統領行政府・科学技術政策室次長、97年から2001年までDOE次官を歴任。オバマ政権では10年から2年間、ユッカマウンテン計画に代わる使用済み燃料管理処分対策を審議する政府のブルーリボン委員会で委員を務めた。

原子力に関しては温室効果ガス排出抑制の観点から必要との考えを示すなど、歴代DOE長官の中で最も「支持派」と期待される向きがある。一方、11年に「それでもなぜ原子力が必要なのか」と題する論文を公表し、福島事故の教訓を活かした安全性改善や廃棄物問題の解決がなければ大きな進展は望めないと述べるなど、国民の懸念についても認識。小型モジュール型炉の実用化により建設コストの低減問題も含めて解決の可能性があるとの見解を表明している。


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