初の廃炉対策会議 拠点整備や運営組織など指示 ロードマップ見直しも

茂木敏充経済産業相は7日、福島第一原子力発電所事故炉の廃止措置体制強化に向け設置した廃炉対策推進会議を初めて招集し、進捗状況について報告を受けるとともに、燃料デブリ取り出しスケジュールの前倒し検討などにより、6月目途にこれまでの中長期ロードマップを改訂するよう指示した。

推進会議は、新政権発足後の2月初め、これまでの政府・東京電力中長期対策会議を改組する形で設置された。7日の初会合では、中長期ロードマップの進捗状況と今後の主要課題について、東京電力が個別分野ごとに報告した。滞留水処理では、建屋への地下水流入抑制対策として整備する「地下水バイパス」、先般、原子力規制委員会でホット試験が了承された「多核種除去設備」稼働の準備を進めており、汚染水の安易な放出は行わないとしている。

また、10年内の開始を目標とする燃料デブリ取り出しについては、号機ごとに異なる状況を踏まえ、できるだけ前倒しするよう、高線量の建屋内アクセスのための遠隔除染技術・工法確立に向け、研究開発を促進し、14年3月にも総合的線量低減計画を策定することとしている。

これらに対し、茂木大臣は、推進会議議長として、地元自治体や有識者らの意見を広く聴取しながら、改訂版ロードマップを6月目途に取りまとめ、研究開発の取組強化に向けて、拠点整備や運営組織設立など、廃炉対策に万全な体制で臨むよう指示した。

同廃炉対策推進会議のメンバーは、茂木経産相を議長に、副議長に赤羽一嘉経産副大臣、委員に福井照文部副大臣、廣瀬直己東電社長、鈴木篤之原子力機構理事長、佐々木則夫東芝社長、中西宏明日立社長、事務局長に中西宏典経産省大臣官房審議官(エネルギー・技術担当)、オブザーバーとして金城慎司・原子力規制庁福島第一事故対策室長。


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