尾本原子力委員が退任 今後3名で運営

尾本彰・原子力委員は7日付で同委員(非常勤)を退任した。同氏は2010年1月より委員を務め、13年1月5日までの任期だったが後任未定のため、任期満了後も後任者任命まで引き続き在任とする委員会設置法の規定に従い職務を継続していた。

尾本委員については、2月26日の参議院予算委員会でみんなの党の水野賢一議員が、東京電力から同社顧問として、福島事故後も昨年3月まで報酬を得ながら原子力委員を務めていたことへの疑問を指摘し、安倍首相や菅官房長官も「国民の理解を得ることは難しい」、「職務上の義務違反、その他、委員たるに適しない非行とは認められないとしても、国民感情からすれば、なかなか理解を得られないだろうと思う」などとの考えを表明していた。

原子力委員会では定員5名のところ、1月25日に同じく非常勤委員の大庭三枝・東京理科大学准教授が辞任しており、次回以降、近藤委員長を含めて常勤委員のみの委員会成立定員3名ぎりぎりでの運営となる。

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尾本委員は1日付の原子力委員会メールマガジンで、「福島第一原子力発電所事故に関するアーカイブ」と題して寄稿し、事故を起こした日本の責務として、「事故に関する知見を散逸しないように体系的整備計画に従って保存し、後世と世界に伝える義務がある」と強調している。

そのためには、原子力機構などの専門家の協力の下、公的アーカイブ機関である国立国会図書館が窓口になって、国際原子力機関とも連携し、膨大な資料を分類し、アクセスしやすい体系として整備していくべきだと訴えている。


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