ボーグルでもコンクリ打設 米国で1週間に2件目の本格着工

米国サザン社の最大子会社であるジョージア・パワー社は14日、ジョージア州のボーグル原子力発電所サイトで3号機用原子炉系統設備のコンクリート打設を完了したと発表した。わずか3日前にサウスカロライナ州で、国内でも過去三十余年で初めてというコンクリート打設がV.C.サマー2号機で完了したのに続くもの。シェールガスなど廉価な非在来型火力資源の台頭により原子力の競争力低下がささやかれるなか、2サイトの新設計画が相次いで正式な着工にこぎ着けたことは、同国における新たな原子力開発プロジェクトの着実な進展を象徴する重要証拠と受け止められている。

ボーグル3、4号機増設計画(各PWR、110万kW)ではV.C.サマー2、3号機計画と同じく、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を採用している。完成日程は当初計画から1年遅延し、サマー計画と同じ2017年と18年を予定。3号機のコンクリート打設作業では、サマー2号機と全く同じ、76m×49mのエリアに厚さ1.8mのベースマットを敷設するため、5350立方メートルのコンクリートを41時間かけて投入した。

認可手続きについては、サザン社のもう1つの子会社であるサザン・ニュークリア社(SNC)が2006年8月に事前サイト許可(ESP)を米原子力規制委員会(NRC)に申請した。翌08年3月に建設・運転一括認可(COL)を申請した後、同年4月にWH社、ショー・グループ(昨年7月にシカゴ・ブリッジ&アイアン社が買収)とエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を締結。12年2月には、米国で新たな許認可制度が採用されてから初めて、34年ぶりの建設・運転認可が同計画に対して発給された。

同計画の資金調達に関しては、地元ジョージア州の公益事業委員会が資金調達コストを建設期間中に電気料金に上乗せして回収することを認めているほか、10年2月に米エネルギー省(DOE)から原子炉建設計画に対する融資保証としては初めて、83.3億ドルの適用が認められた。こうした背景からジョージア・パワー社では、割引の形で20億ドルまで潜在的な利益を顧客に還元できると明言。3、4号機は天然ガスを含めた次善の利用可能技術より、少なくとも40億ドルの付加価値を提供可能だと強調している。

両炉の建設と運転はSNCが担当する一方、所有権の45.7%はジョージア・パワー社が保有。このほか、オーグルソープ社、地元の州営電力、ダルトン市営電力が共同所有者となる予定だ。


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