遠隔除染装置、今夏にも現場へ 福島廃炉対策 ドライアイスで2次汚染防止

福島第一原子力発電所事故炉の廃止措置に向けた研究開発が急がれているところ、炉心の燃料デブリ取り出し準備で、作業エリアの環境改善を図る「遠隔除染装置」のデモンストレーションがこのほど報道関係者に公開された(東芝横浜事業所)。

原子炉建屋内の汚染状況により、適応する除染技術は異なるが、このほど研究開発に当たった東芝では、公募技術を検討し、固着性汚染に有効な「ドライアイスブラスト」を採用、装置開発を行った。「ドライアイスブラスト」方式は、もとは航空機の塗装剥離を目的として開発されたもので、ドライアイスの粒子を対象物に噴射し除染する。粒子衝突による衝撃と、ドライアイス昇華時の膨張により表面の汚染を除去するので、2次廃棄物を低減し母材を痛めにくい特長があり、既に発電所他、一般産業でも実績がある。

福島第一対応に際しては、原子炉建屋1階床面および高さ約2mまでの壁面を除染対象とし、可動アーム(吹き付けノズル)、吸引・分離装置を搭載する除染台車と、コンプレッサを搭載する支援台車の2台連結構成とし、台車の走行、アームの駆動操作、除染動作は、ゲームパッド、タッチパネル、キーボード/マウスで遠隔操作する。

今後は、福島第二発電所で実証試験を実施し、必要な改造を加えた上、今夏にも実機適用する計画だ。


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