産官学総力で人材確保を 原産セミナー報告 学生来場数が減

日本原子力産業協会は3日の原子力委員会で、原子力産業セミナー2014の開催結果について報告した。

今年度で7回目の開催となる同セミナーは、2014年度卒業の大学生・大学院生を主な対象とした合同企業説明会で2月2日に東京、同9日に大阪で開催された。

来場学生数は、東京が265人(昨年度223人)、大阪が123人(同273人)、参加企業・機関数は東京が21社(同29社)、大阪が13社(同24社)だった。

参加企業・機関数が大幅に減少した原因については、昨今の原子力産業を取り巻く厳しい状況の中、新卒採用を控えたり、採用計画の目途が立たなかったりすることが多くなっていることを挙げている。また、大阪会場での来場学生数の減少については、参加企業・機関数の減少、原子力発電所の再稼動の目途が立たない等の理由により、原子力に対するイメージダウンが主に影響していると見ている。

この状況が続くと原子力産業の技術維持が難しくなり、国全体の損失にもつながりかねないことから、産官学の総力を挙げて既存の原子力発電の安全な利用や廃炉・除染等で長期にわたり継続して新しい人材が必要であることを訴えていく必要性を強調した。

さらに、原子力産業は、原子力発電以外の分野(放射線利用等)などもあり広がりのある産業であること、原子力を学んだ学生のみならず全ての学科の上に成立つ総合産業であること、奥が深く数々のおもしろみを持っていることなどを伝えるのも重要だとした。また国が原子力政策ならびに福島における廃炉・除染に係る明確なビジョンをわかりやすい形で示していくことも求めた。


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