フィンランドのハンヒキビ計画 中型設計は露に交渉権 受注交渉、不透明に

フィンランド中西部のピュハヨキで最大180万kWの原子炉建設を計画しているフェンノボイマ社は5日、出力を100万〜130万kWの中型炉とした場合の直接交渉権をロシアの総合原子力企業であるロスアトム社に与えると発表した。大型炉設計を採用した場合の直接交渉権を東芝が2月に得たのも束の間、思わぬ伏兵の出現に受注競争の行方は一転し、不透明な状況となった。ロスアトム社との交渉は直ちに開始されるとしており、出力規模を含めた、最終的な採用設計の判断は年内にも下される計画だ。

この「ハンヒキビ1号機」建設計画について、フェンノボイマ社は2011年7月に仏アレバ社と東芝に入札案内状を送付。昨年1月に両社が商業入札書を提出した後、同社は優先交渉権を与える直接交渉の相手として2月に東芝を選定し、160万kW級の「EU―ABWR」建設に関する契約交渉に入っていた。

ただしその際、中型炉を採用する可能性についても検討開始したことを明示。昨年10月に独E・ON社が同建設計画から撤退したのに伴う措置で、候補メーカーとしてはロスアトム社を加えた3社、およびそれ以外の業者を加える可能性もあると指摘していた。

今回の発表によると、フェンノボイマ社は3月末までの間、ロスアトム社のほかに東芝、アレバ社、アレバ社と三菱重工の合弁事業体の中型炉設計について評価。ロスアトム社の120万kW級PWR「AES−2006」に関心を抱いたとしており、選定が決まれば同国の最新の安全要件を満たせるよう設計を改訂するとしている。


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