仮置場むけ防水シートを開発 ユニチカ 除染作業の本格化に備え

ユニチカは10日、ジオシンセティックス技術研究会(メンバー・地方独立行政法人大阪府立産業技術総合研究所 他)と共同で、東日本大震災の被災地域において、除染廃棄物仮置場の飛散防止や雨水の流入を防止するガス透過(通気)性防水シート「エルベスキャッピングシート」(=写真)を開発した、と発表した。

すでに防水シートとして初めて社団法人日本材料学会の技術評価証明を取得しており、福島県南相馬市などの被災地域で、集積された除染廃棄物を覆う防水シートとして採用が開始されている。

特長としては、(1)優れた防水性能とガス透過性能を両立(2)「エルベスR」が熱融着性能を有しているため、現場作業でのシート同士の熱融着(接合)が容易(3)シート端部に加熱圧縮加工を施し、シート同士の接合部分も優れた遮水性と高い接合強度を保持――など。

同社では、東日本大震災の復興支援を目的に、グループ企業、事業部の力を結集し、2012年9月、“ユニチカ復興地域再生支援チーム”を立ち上げ、放射線計測から廃棄物処理、除染に役立つ製品を積極的に展開する方針を打ち出し、復興地域の再生を支援する取り組みを展開している。

除染に伴って生じる除去土壌等の量は、福島県内だけで約1500万立方mから3100万立方mと試算されており、除染作業の本格化により、仮置場で使用される環境保護用資材の必要性はますます高まることが予想されている。


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