東北電 一層の安全向上に向け 女川の防潮堤は29メートルに

東北電力は14日、2012年に設置した女川原子力発電所高さ約3メートルの防潮堤を、高さ約15メートル(海抜約29メートル)までかさ上げする工事を実施する(=完成予想図)と発表した。かさ上げ後の防潮堤は、鋼管式鉛直壁とセメント改良土による堤防で構成され、総延長は現状の約600メートルから200メートル延長されて約800メートルとなる。

同電力は、地震に関する知見や新規制基準を踏まえながら津波評価検討を進めており、極めて厳しい条件での評価として女川原子力発電所前面の防潮堤に到達する津波の最大遡上水位を、海抜約23メートルと評価した。既に実施している緊急安全対策等でこの規模の津波でも発電所の安全停止状態を維持することは可能だが、今回の工事はより安全性を高めて地域住民に安心してもらうため、自主的な対策として行う。工事は準備が整い次第開始し、2016年3月に完了の予定。

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また同社は、東通原子力発電所1号機の安全向上対策について、フィルター付格納容器ベント設備および免震重要棟の仕様が固まったことから、今後、準備が整い次第、設置工事を開始し、フィルター付格納容器ベント設備については平成27年3月、免震重要棟については平成28年3月の完成をめざす等のスケジュールを明らかにした。


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