遮水施工は凍土壁方式 福島第一・政府対策委 地下水流入の抑止

福島第一原子力発電所に関する政府の汚染水処理対策委員会(委員長=大西有三・京都大学名誉教授)は5月30日、廃止措置を進めていく上でネックとなる地下水流入の抑制に向け、プラント全体を取り囲む陸側遮水壁の設置など、抜本対策を取りまとめ、同日に茂木敏充経済産業相より、東京電力の廣瀬直己社長に対し指示した。

事故後の応急的処置として設置された地下貯水槽は使用しないこととして、既に移送が開始されているが、主に地下水流入により日々400立方m増加する汚染水の抑制を重要課題として、同委員会では4月末より、抜本対策を検討してきた。汚染水の海への安易な放出は行わないとする中長期ロードマップの基本方針を踏まえ、ゼネコン各社より、抜本策の柱として、プラント全体を取り囲む陸側遮水壁の施工法について提案を受け、検討を行ってきたところ、その中で、遮水効果、施工性等に優れるものとして、鹿島建設による凍土壁方式を適切と判断した。

具体化に向け、今回の取りまとめでは、他の廃炉対策との工程調整も必要で、また、大規模かつ長期的な運用実績はこれまでにないことから、今後は、実務的なタスクフォースを設置し、概念設計、施工計画の策定、進捗管理を行い、13年末までに技術的課題の検証、フィージビリティ・スタディを実施し、準備が整い次第、速やかに建設工事に着手、15年度上期目途の運用開始を目指すとしている。


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