東欧4カ国と協力強化へ 安倍首相 原子力の安全向上などで共同声明 新規計画への参画視野に

安倍晋三首相(=写真、左から2人目)は16日、訪問先のポーランドで、同国他、チェコ、ハンガリー、スロバキアの4か国(V4)との首脳会合「V4+日本」を行った。今後の協力枠組みの強化とともに、エネルギー関係では、日本が責務として、福島発電所事故を踏まえ、世界規模で原子力安全強化に貢献することなどを盛り込んだ共同声明を発出し、EU諸国の中で相対的に高い経済成長を維持しているV4と日本との間で、ともに協力していくことで一致した。また、各国首脳らとの二国間会談も行われた。

共同声明ではまず、「V4+日本」の協力立ち上げ10周年を祝し、緊密な関係をさらに強化していくことを述べた上で、経済、科学技術、イノベーションの分野では、共通の目標を有していることを確認し、エネルギーについては、V4から日本の高い技術力への関心が示されたのを受け、相互協力を深化させていくことが表明されたとしている。また、日本からは、福島発電所事故から得られた知見と教訓を共有することで、原子力安全を世界的に強化する責務を再確認したことがあげられた。また、ワルシャワで今秋に開催されるCOP19に関連し、15年までにすべての締約国に適用される公平かつ実効性ある枠組みを実現するよう、建設的協力を図るとのコミットメントも表明された。

ポーランドとの首脳会談では、ドナルド・トゥスク首相より、原子力を含む、エネルギー分野での共同研究に期待が述べられた。

V4諸国のうち、チェコ、ハンガリー、スロバキアで原子力発電所が運転中、ポーランドでは、石炭への依存低減のため、20年代の導入を目指し現在、サイト選定が進められている。


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