ブラジルで販売促進イベント ロシア

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は10日、新たに100万kW級原子炉4〜8基の新設を検討しているブラジルにロシアの原子力技術を売り込むため、販売促進セミナーをリオデジャネイロで開催したと発表した。

ブラジルでは現在、独シーメンス社の技術によるアングラ原子力発電所1、2号機が稼働しているほか、仏アレバ社が作業を引き継いだ同3号機を2015年の送電開始目指して建設中。水力発電への依存を軽減するため、連邦政府が管理するエレトロブラス電力会社傘下のエレトロ・ニュークリア社が2030年までに少なくとも4基の原子炉を建設するとしており、すでに40の候補地点を特定した。これに対して、海外のプロジェクト19件を含め28件の原子炉建設計画を進めているロスアトム社が、ブラジルの条件に見合った原子力開発協力モデルの構築を提案したもの。

7日のセミナーにはエレトロ社を始めとするブラジルの大手関連企業のみならず、鉱物エネルギー省、科学技術省、および原子力開発協会(ABDAN)の代表者らが出席。前日にE.ロバオ鉱物エネルギー大臣と会談したロスアトム社のK.コマロフ副総裁は、歓迎スピーチの中でロシアの原子力技術でブラジルに投資したいとの意志を明確に示すとともに、「安全で効率的な原子力こそ未来の発電だ」と断言した。

同副総裁によると、ロスアトム社にはブラジルの要望に応じて同国の原子力発電所を建設・操業・財政投資する用意がある。同国の事情に合わせた特別な事業モデルの構築で協議に応じると説明しており、具体例として、ロシア国内における100%政府所有の原子力発電所や、所有権の49%を民間に移転可能なバルチック原発を挙げた。

また、ロシアや世界各国ですでに使われている最新技術を採用した統合協力モデルを提供するために柔軟に対応できると確約。トルコでの協力例では、完成原発の所有権の100%をロシアが持つ予定だが、すべてはブラジル政府の決定次第だと強調した。

一方、ブラジル側は「PWRで安全性の高い設計の採用を検討中だ」と明言。エレトロ社のO.ピンニーロ社長は、ロシア型PWR(VVER)を薦めるロスアトム社も要件を満たした評価対象企業の1つであることを明らかにしている。


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