原型炉の建設用地借入 露の鉛ビスマス高速炉

ロシアの原子力総合企業ロスアトム社は18日、半官半民組織イルクーツクエネルゴ社との合弁事業体である「AKMEエンジニアリング社」が、鉛ビスマス冷却・高速中性子炉のパイロット商業炉となる出力10万kWの「SVBR−100」を建設するため、借地契約を連邦国家資産管理局のウリヤノフスク州支部と結んだと発表した。

この用地は同州のディミトロフグラード南東にある国立原子炉科学研究所(NIIAR)の隣接区域で広さは15ヘクタール。10年間の借地期間中にパイロット商業炉のほか、長さ3kmの専用道路や2つの自動コンクリート混合工場も建設し、発電産業施設の建設支援に役立つ先進的な技術施設を創設していく計画だ。

SVBRプロジェクトはロスアトム社が産業界のパートナーと共同で進める大型ハイテク計画の1つで、連邦政府の目標プログラムである「2010年から15年および20年までの新世代原子力発電技術」の一環となるもの。「クローズド燃料サイクルと高速炉」といった新しい原子力技術目標達成に向けた構成要素という位置づけで、革新的原子力発電システムの構築に役立てられる。

AKME社によると、SVBRの設計は原子炉本体や蒸気発生モジュール、主循環ポンプなどの1次系機器すべてを配管や接続金具なしで1つの容器中に統合配置。2017年以降の発電開始を目指しており、それ以降の連続建設を支援する施設の用地もいずれ必要になるとしている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで