米の2原発にSCC予防 重工が特殊工法で海外初受注

三菱重工業(MHI)の米国法人の三菱ニュークリア・エネルギー・システムズ(MNES)社は18日、米国のPWR2基の原子炉容器でウォータージェットピーニング(WJP)を用いた応力腐食割れ(SCC)予防サービスを提供する契約を受け負ったと発表した。

SCCは環境や材料、応力の3要因が重なる事で発生する経年劣化現象だが、WJPは水中で高速水を噴射した時に発生するキャビテーション(空洞現象)を利用して原子炉容器の内表面に圧縮応力を与え、SCCを予防する。日本国内ではPWR21基ですでに45件の適用実績があるが、海外原子炉に適用されるのは今回が初めて。MNESはカンザス州のウォルフクリーク原発(124万kW)、およびミズーリ州のキャラウェイ原発(124.6万kW)で、アロイ600製の重要機器や原子炉容器・出入り口管台などの異種金属溶接部にSCCが発生する可能性をWJPで低減していく。

同社の担当作業は主にプロジェクト全体の管理で、親会社のMHIが必要な専用工具や機器を提供するほか、米国の専門企業であるAZZ・WSI社とSI社が現場作業やエンジニアリング・許認可支援などを担当。2016年の両炉の停止時期に合わせて作業を実施する計画だ。


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