政府、中長期ロードマップを改訂 燃料デブリ取出し、前倒し 福島の廃炉計画 研究開発も本格整備へ

政府の福島第一原子力発電所事故炉の廃止措置に関する対策会議は6月27日、廃炉への取組を加速させる改訂版中長期ロードマップを決定した。1〜4号機ごとの状況に応じたスケジュールを検討し、燃料デブリ取り出しの開始目標を前倒しすることとした10日公表のたたき台に対し、地元自治体、有識者らの意見、原子力委員会への説明を踏まえた上で、コミュニケーション強化、研究開発体制の本格整備なども盛り込み成案とした。

11年12月の事故収束に向けた道筋「ステップ2」の完了を受けて策定された中長期ロードマップで、「10年以内を目標」とされていた燃料デブリ取り出しについては、リスク低減のため、可能な限り早期に進める考えから、今般、復旧状況や耐震安全性等を考慮した複数のプランを検討した上で、最速ケースで1年半前倒しの20年度上半期開始と設定されている。

また、これらプラント関連の進捗と合わせ、地元関係者との情報提供・コミュニケーション強化の観点から、福島県、周辺自治体、有識者らの参画する「廃炉対策推進会議福島評議会」を設置するほか、機器・用品等を長期的に担う地元企業の育成・新規設立、マッチングの場等を通じ、地域経済の活性化、雇用の創出にもつなげていくことも掲げられた。

廃止措置に向けた取組は、改訂ロードマップにおいても、「終了までに30〜40年程度かかる」としている。今後、関連の現場作業、研究開発を進めるに当たっては、基盤研究プロジェクトの推進を行うだけでなく、中長期的視点で人材確保・育成を図る上で、より強力なリーダーシップを発揮できる中核拠点を重点分野ごとに選定し、政府、研究機関、民間企業とが共同で研究を進めていくことも重要としている。


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