ロシアとの契約に向け交渉 フィンランドのハンヒキビ計画

フィンランド中西部のピュハヨキでハンヒキビ1号機の建設を計画しているフェンノボイマ社は3日、原子炉供給契約の締結を念頭においたプロジェクト開発協定をロシアと結んだと発表した。

同社は今年2月、大型炉を採用した場合の直接交渉権を「EU−ABWR」を提案する東芝に与えたが、出力を100万〜130万kW程度に抑えた場合の直接交渉の相手としてロシアを4月に選択。昨年10月に独E・ON社が同プロジェクトから撤退し、同社が保有していたフェンノボイマ社株34%の購入にロシアが関心を示したことが大きく影響したと見られている。フェンノボイマ社では今後の交渉もロシアのみに集中すると明言しており、東芝の受注は事実上難しくなった。

今回のプロジェクト開発協定はロシアの原子力総合企業ロスアトム社傘下のルスアトム・オーバーシーズ社と結ばれており、両者の共通目標が設定された内容。今年の残りの期間はこれに沿った交渉に費やし、年末には供給契約に調印したいとしている。また、E・ON社撤退後、フェンノボイマ社の大株主であるボイマオサケイティエSF社が取りあえず引き取った34%の株式購入の件についても両者はすでに交渉中だ。

ロシアの推す120万kWのロシア型PWR(VVER)「AES−2006」設計について、フェンノボイマ社は「フィンランドの安全基準のみならず国際原子力機関とEUの規制要件を満たしており、ロシアのオファー全体が当社のプロジェクトに適している」と強調。同国内のロビーサ原子力発電所で、すでにVVER2基が30年以上にわたって安全に稼働している点にも言及した。


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