[カートリッジ式浄水器を開発 水の安心に一役 グラフト重合技術で]

その後のニーズの変化から、”水の安心”につながる水道のカートリッジ式浄水器(=写真)を倉敷繊維加工と協力し開発、商品化した。事故後に広範に拡散した放射性セシウムについては、森林など十分な除染がなされていないところも多く残されている。これら森林や草木に付着したセシウムは、時間の経過とともに生活用水などに利用されている井戸水や沢水などの水路に混入することに懸念もある。セシウムが水路へ混入する際の形態としては、水に溶けているものと溶けていないものに大別されるが、物理的なろ過で採りきれない極微量で溶存する可溶性のセシウムについては、化学的かつ高効率に捕集する安心な捕集材が求められていた。

捕集材は、酸やアルカリに強く加工性の良いポリエチレン製の不織布素材に電子線グラフト重合技術でセシウムと親和性の高いりんモリブデン酸基を導入したもの。微細な粒子も捕捉する高性能をもち、水道のように高速で水が通過しても目詰まりなどせずに処理能力を保てる。評価では放射性セシウムが検出された井戸水の処理試験を行い、管理目標値である1リットル当たり10ベクレル以下にまで低減することを確認している。


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