がれきを自動で搬送 自律走行システム実用化 福島第一で鹿島が 現地作業の効率改善に

鹿島は6月25日、福島第一原子力発電所の解体工事で発生する解体がれきの搬送について、汎用重機を用いて障害物や走行ルートを自律的に認識、判断しながら自動で搬送するシステムを日本で初めて開発し、実作業に適用した。

このシステムは放射線環境下における被ばく量の低減と作業効率の向上などを目的に、重機を従来の「遠隔操作」ではなく、人手を介さず無人で走行させ、高線量がれきの搬送作業を完全自動化したもの。これまでの無人化施工を更に発展させ、建設機械自身が自律的に判断して自動運転を行う画期的な技術で、汎用重機を自動化し、厳しい環境下の施工現場で実用化した。

従来、重機の遠隔操作はオペレータの技量に頼らざるを得ず、その差によって作業時間に大きなばらつきがあったが、このシステムを適用したことで、オペレータの技量に関係なく一定時間での作業が可能となった。これで作業量を定量的に把握することが容易になり、作業効率の改善とともに、確実な工程管理の実施につながっている。

搬送時間としては、クローラダンプによる屋外走行(約1キロメートル・目標値30分)、フォークリフトによる構内保管施設内走行(約800メートル・目標値45分)とも、目標値内で作業ができている。

現在も稼働中で、これまで他機械や設備への衝突事故や走行路からの逸脱事象は皆無だった。作業の安全性が飛躍的に向上した。

今回開発した2つの自動化システムは、共に市販の汎用機械に計測・制御技術を付加することで自動化を実現しているため、従来の自動化・ロボットシステムのように特殊な専用機械を開発する場合に比べ機械の導入費用を低く抑えることができ、適用した要素技術は他の機械にも容易に展開が可能という。

また自動化のための施設の変更や事前工事は不要。


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