2013年参議院選挙に向けた各党の原子力政策(表)

参議院選挙が4日に公示され、21日の投開票に向けて各党が方針を打ち出している。当紙では、主要政党の原子力政策について整理した。

自民党「参議院選挙公約2013」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]安全性については、原子力規制委員会の専門的判断に委ねた上で、国が責任を持ち、安全と判断された原発の再稼働については、地元自治体の理解が得られるよう最大限努力。これまでのエネルギー政策をゼロベースで見直し。原子力技術等のインフラ輸出支援体制強化。2020年に約26兆円(現状8兆円)の内外のエネルギー関連市場を獲得。
[燃料サイクル、研究開発、人材]次世代への責任を果たすべく、高レベル放射性廃棄物の「大幅な有害期間の短縮・毒性の低減化」の研究開発を加速。

公明党「参院選重点政策」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]原発の新規着工を認めず、原発の40年運転制限制を厳格に適用。原発への依存度を段階的に減らし、可能な限り速やかに“原発に依存しない社会・原発ゼロ”をめざす。再稼働については、40年運転制限制、バックフィット(最新の知見を適用)、活断層等の徹底調査をはじめとする厳しい規制の下で、原子力規制委員会が新たに策定した厳格な規制基準を満たすことを大前提に、国民、住民の理解を得て判断。
[燃料サイクル、研究開発、人材]使用済み核燃料の再処理は、直接処分への転換を含め、立地地域に配慮しつつ、見直しを検討。最終処分問題についても解決の道を検討。高速増殖炉もんじゅは廃止。廃炉に向けた技術者など人材の育成確保について、国が責任を持って積極的に取り組む。物理・化学・生物学的な除去技術の研究開発を進め、新技術の採用と利用拡大。

民主党「参院選マニフェスト」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]「40年運転制限制を厳格に適用」「原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ再稼働」「原発の新設・増設は行わない」の3つの原則を厳格に適用する中で、2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入。
[燃料サイクル、研究開発、人材]福島再生を担う豊かな人材を育成するため、福島における様々な教育・研究活動への支援を強化。

維新の会「2013参議院選公約」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]安全規制、損害賠償のルール化などによる脱原発依存メカニズム構築。既設の原子炉による原子力発電は2030年代までにフェードアウト。
[燃料サイクル、研究開発、人材]使用済み燃料の総量規制・乾式中間貯蔵。世界最先端の原子力技術を維持する。

みんなの党「主要政策」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]2030年までの原発ゼロ。社会的コストを精査すれば、原発は市場原理によって淘汰される。廃炉・核廃棄物処理技術研究のシステム輸出を積極的に行える体制を構築。
[燃料サイクル、研究開発、人材]核燃料サイクル政策は廃止し、使用済み核燃料を直接処分。従来の原発関連予算は、次世代エネルギー研究、廃炉・核廃棄物処理技術研究に転用。

共産党「2013年参院選挙政策」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]危険な再稼働をきっぱりやめ、「即時原発ゼロ」の政治決断。「新規制基準」は、福島原発事故の原因を究明しないまま、再稼働を急ぐために「スケジュール先にありき」で決定したものにすぎない。大飯原発を止め、原発再稼働方針を撤回。建設許可済みのものや計画中のものも含めて、新たな原発の建設は認めない。無責任な原発輸出政策をただちに中止。
[燃料サイクル、研究開発、人材]高速増殖炉「もんじゅ」や再処理工場は廃止し、プルトニウム循環方式(核燃料サイクル)からただちに撤退。使用済み核燃料の処分の手段・方法については、専門家の英知を結集して研究・開発をすすめる。こうした事業に取り組むため、原子力に関する基礎研究と専門家の確保・育成。

生活の党「政策パンフレット」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]「エネルギー政策の大転換」で10年後にすべての原発を廃止。原発の再稼働・新増設は一切容認しない。遅くとも2022年までに最終的な廃止を確定する。廃炉の実行に関する廃炉促進法、使用済核燃料問題への対応を定める「原発バックエンド検討のための特別措置法」、脱原発を進めるための具体的措置を定める「脱原発に向けた特別措置法」からなる新たな電源三法(脱原発三法)を制定。
[燃料サイクル、研究開発、人材]高速増殖炉・核燃料サイクルは全て廃止する。安全で確実な廃炉プロジェクト及び廃棄物の毒性低減に向けた研究開発。

社民党「2013選挙公約」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]原発再稼働は一切認めず。稼働中の大飯原発3、4号炉は即時停止。原発の新増設はすべて白紙撤回し、建設を中止。福島第一原発5、6号機と福島第二原発1〜4号機および活断層の上に立地することが明らかとなった原発は直ちに廃炉。その他の既存原発については、「脱原発基本法」を制定し、老朽炉等のリスクの高い原子炉から順次計画的に廃止。国会による原子力規制当局や電気事業者の監視体制の構築を実現。
[燃料サイクル、研究開発、人材]「もんじゅ」や再処理等の核燃料サイクル計画からは撤退し、使用済み核燃料については当分の間ドライ(乾式)キャスクによる暫定保管。

みどりの風「みどりの風の『約束』」
[再稼働・新設・廃炉・輸出]原発は再稼働せず廃炉。脱原発基本法の制定。
[燃料サイクル、研究開発、人材]核廃棄物の管理、廃炉ビジネス立ち上げ。


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