汚染水遮蔽壁工事の早期完了を促す 規制委、東電に

原子力規制委員会は10日、福島第一発電所港湾内のトリチウム検出問題で、高濃度汚染水の地中への漏えいが生じ、海洋へ拡散している疑いもあるとみて、現在、東京電力で進めている地盤改良対策、海側遮水壁工事の早期完了を促す考えを示した。地下水モニタリング結果によると、トリチウムについては、1、2号機間の岸壁から4mの地下水観測孔1―1(=写真)で、告示濃度の10倍となる60万ベクレル/リットルの最大値が検出されている。

電力では、護岸近傍の止水対策として8日より、薬液注入による地盤改良工事に着手し、海洋汚染拡大防止のため、海側遮へい壁の14年度中期までの完成を目指し工事を進めている。

規制委では、電力側の原因説明に対し、観測結果、放射能濃度の分布などと照らして、汚染された地下水が海に到達している可能性を指摘し、実施中の対策の早期完了を促し、地下水・海水モニタリングを継続、必要に応じ追加モニタリングを行うよう指示する見解を示した。


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