クダンクラム1が初臨界 インド初の第3世代PWR

ロシアの技術協力を受けて、インドがタミルナド州で建設中だったクダンクラム原子力発電所1号機(ロシア型PWR、100万kW)が13日23時5分に初臨界を達成した。福島事故後に激化した地元の反対運動で死者が出るなど、約2年遅れの起動となったが、昨年3月の地元州政府による建設工事の再開承認、今年5月の最高裁による起動承認判決に基づき、インド初のPWRがようやく運転を開始する。

原子力供給国グループによるインドへの原子力機器禁輸は米国の努力で2008年に解除されたが、ロシアとインドは原子力平和利用分野の包括的政府間協定をそれ以前の1988年に締結。クダンクラムの最初の2基はこの枠組に基づいて02年に着工していた。両国は08年、3〜6号機の増設についても新たな協定を結んでいる。

インドで21番目の商業炉となる1号機は同国初の第3世代プラス炉でもあり、出力はこれまで最大だったタラプール3、4号機の2倍にアップ。動的な安全系に加え、受動的残留熱除去システムや水素再結合装置、コア・キャッチャー、急速ホウ素注入システムなどの受動的安全系を装備。インド原子力発電公社(NPCIL)では、このような多重の安全系により公衆や環境を適切に防護できるとしている。

起動プロセスはインド原子力規制委員会(AERB)による最終認可も含め、法令に基づくすべての規制要件をクリアした後、11日深夜に開始されていた。今後30日〜45日以内に出力が40万kWになった所でインド南部の送電網に接続。段階的に出力を定格まで上げていく計画だ。


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