SG問題で三菱に賠償請求 米SCE社

三菱重工(MHI)製蒸気発生器(SG)のトラブルが原因で、6月にサンオノフレ原発(SONGS)2、3号機を閉鎖した米サザン・カリフォルニア・エジソン(SCE)社は18日、MHI宛てに正式な紛争通知を送付したと発表した。

SONGS所有者とその顧客が被った損害を全額賠償するよう求める内容。契約上の1億3700万ドルという責任制限は無効だと主張しており、紛争解決手続きのための90日間で問題が解決しなかった場合は仲介者を交えた拘束力を有する手続きを開始する方針だ。

SCE社はまず、SGの稼働開始後1年を待たずに冷却材が漏れ出したことや、MHIが「適切な注意をもって速やかに」修理する義務を怠った点を指摘している。

同社はまた、MHIがSG内の熱水力条件の適切な設計、同条件に耐えうる管支持板の設計でミスを犯したと主張。トラブル調査と修理に要した費用についてもMHIに負担を請求したものの、同社は責任の承認や資料の監査、原因調査の実施さえ拒んだとして対応の是正を求めている。

MHI側の反論

これに対してMHIも19日に声明文を発表。SGからの漏洩発覚後、同社は伝熱管摩耗の原因分析を行い、SONGSの安全な運転再開のために必要な技術事項をSCE社と検討するとともに、安全かつ現実的な補修プランを検討、提案してきたと説明している。

また、SCE社の主張と要求は交渉の経緯、契約履行の事実を正確に反映していない不適切な内容であり、根拠のないものだと反論。今後の紛争解決手続きを通じて、関連事実を正確に説明することにより、SCE社の主張と要求が不当であることを主張し、必要な対抗措置を取ることも検討する考えを表明した。

賠償責任額に関しても、契約上の上限は1億3700万ドルであり、代替燃料コストを含め間接損害は排除されている点を明確に示している。


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