チェコでAP1000モジュール WH社

ウェスチングハウス(WH)社は7月25日、チェコのテメリン3、4号機増設計画を受注した場合に備え、同社が提案するAP1000の重要モジュールのモックアップ設備製造を同国のビトコビツェ・パワー・エンジニアリング社に発注した。

ビトコビツェ社はチェコ最大手の機器製造エンジニアリング・グループで、両者は2011年12月に協力了解覚書(MOU)を締結。今回、具体的なステップに踏み出したのは、ビトコビツェ・グループ内の重機メーカーを含めた両者の協力について、MOUの内容を今年1月に改定したのに伴う。同契約に基づき、ビトコビツェ社はAP1000の実証プロジェクトの一環として、大型CA−20モジュールの一部分となるサブ・モジュール05のモックアップ装置を来年初頭までに製造する。

WH社はこのプロジェクトを通じてビトコビツェ社にWH社の技術的、品質的要件を理解してもらう考えで、地元企業の中からパートナーを得る活動の一部。テメリン計画受注の暁には、チームの一員として重要機器の製造を任せる計画だ。

チェコ電力(CEZ)は建設計画が一時中断していたテメリン3、4号機を完成させるため、09年8月に公開入札手続きを開始。招聘書を手渡したWH社、仏アレバ社、およびロシアとチェコの企業連合のうち、アレバ社を昨年10月に候補から外した。残った2社のうち、ロシアの企業連合は工事の準備・実施を調整する合資企業を設立するなど、WH社と同じく同計画の受注に備えた作業を進めている。

UOHSが再びアレバ社の訴え退ける

なお現地の報道によると、チェコの経済競争保護局(UOHS)は7月26日、入札候補から除外されたことに対するアレバ社の異議申し立てを棄却した。今年1月末の第1審裁定を再確認する最終判断を下したもので、これを不服とする同社はチェコのブルノ地方行政裁判所に上告、そこで上手くいかなければ欧州委員会の裁定を仰ぐとの考えを示した模様。

同計画は契約額にして80億〜120億ユーロと言われており、その入札に復帰することを望むアレバ社は昨年10月、UOHSに対して入札手続きの停止とCEZの判断に関する詳細説明を求めたことから、UOHSは翌11月にCEZに対し選定企業との最終契約調印を暫定的に差し止める指示を出していた。

また、チェコでは今年6月にP.ネチャス首相が政治的不祥事により辞意を表明。議会による信任投票前の暫定内閣で政権が運営されていることから、国家エネルギー戦略の最終承認や、テメリン計画にともない政府が70%出資するCEZとの電力購入契約など、重要な判断を政府が早急に下せるかは不透明な情勢だ。こうした背景から、同計画における年内のメーカー選定と最終契約調印にも遅れが生じることは避けられないとの見方が有力となっている。


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