東芝が重粒子がん治療装置 マレーシアでFS調査 輸出展開へ前進 切らずに治す 高度医療、海外へ

1面所報の通り、東芝は7月25日、マレーシア向けの重粒子線がん治療施設に関する事業性調査について、1マレーシア・デベロップメント社(1MDB社)と覚書締結を行った。

重粒子線がん治療施設の事業計画の立案・評価やマレーシア国内で重粒子線がん治療装置の導入に適した施設の選択などを行う。今後、2014年7月までに調査結果をまとめる予定。

1MDB社は、2009年に設立されたマレーシア政府100%出資のファンドで、同国の長期持続可能な経済発展を目的とした、エネルギーや医療分野などへの投資を行っている。

重粒子線がん治療は、現在、国内外で注目され、欧州、ロシア、中東、東南アジア各国などで導入の計画が進められている。

同社はこれまで、重粒子線がん治療の世界最先端開発拠点である放射線医学総合研究所へ最新の重粒子線照射システムを納入。また、昨年1月には神奈川県立がんセンターから重粒子線がん治療装置を一括受注している。海外では、今年5月にアルクドラホールディング社とアブダビ首長 国向け重粒子線がん治療施設のFSに関する覚書を締結し、すでに調査を開始している。

国内では放射線医学総合研究所が15年を超える実績をベースに、各地への普及を進めている。がん病巣に対してパンチ力が高く、体内深部のがんを“切らずに治す”ことができて患者負担が少ない特長があるため、装置などをコンパクト化することで、まず群馬大学に重粒子線がん治療施設を整備し稼働した。最近では佐賀県鳥栖市の九州国際重粒子線がん治療センターが5月に開設している。


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