エクセロン社に経営統合 コンステレーション社の原発5基

米国のコンステレーション・エナジー・ニュークリア・グループ(CENG)とフランス電力(EDF)が米国の2州で共同所有する3サイト5基の原子炉の経営が、エクセロン社の10サイト17基の原子力設備と統合されることになった。

7月30日にエクセロン社が発表したもので、これに伴い、これら5基の運転認可が同社に移譲されるとともに、EDFは4億ドルの特別配当金を受け取る。EDFはこの配当金を債務の削減に充てると見られており、同社は同日、今回の合意をもって米国原子力市場における同社の合弁事業は終了すると述べた模様。

CENGはコンステレーション・エナジー(CE)社の原子力発電子会社で、EDFが2009年にCE社株を購入した際に両社の合弁事業体として設立された。その後、12年にエクセロン社がCE社を買収したことから、両社の原子力発電設備も統合すれば、経営上さらなる相乗効果と合理化が期待できるとの認識に到ったと説明している。

エクセロン社は現在、CENG株の50.01%を保有する一方、EDFは残りの49.99%を保有。この比率を維持したままで、エクセロン社はCENGがEDFに支払う特別配当金4億ドルをCENGに融資する。また、EDFは2016年から22年までの間に、このCENG株を市場の適正価格でエクセロン社に売却するオプションも継続保持するとしている。

エクセロン社への統合が決まった原子炉は、ニューヨーク州のギネイ原発1基とナインマイルポイント原発の2基、およびメリーランド州に立地するカルバートクリフス原発の2基。これらの運転認可移譲申請は数日中に米原子力規制委員会(NRC)に提出されるが、審査と承認の完了までに6〜9か月かかる見通しだ。

なお、CE社は08年頃、EDFとのもう1つの合弁企業体「ユニスター社」を通じて、カルバートクリフス原発に3号機を増設する計画を進めていたが、米政府による融資保証適用条件が実行不可能だとして10年に同計画から撤退。ユニスター社がEDFという100%外国資本の企業となったため、NRCは同計画に建設・運転一括認可(COL)は発給できないとの裁定を下している。


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