新設計画のEPC契約を解除 米デューク社

米フロリダ州でレビィ・カウンティ原子力発電所建設計画を進めているデューク・エナジー・フロリダ(DEF)社は1日、ウェスチングハウス(WH)社およびショー・グループと2009年に結んだエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を解除する方針を発表した。新設計画に対する米原子力規制委員会(NRC)による建設・運転一括認可(COL)審査の遅れに加え、州法改正により建設期間中の一部コスト回収が不透明になってきたことが原因。それでもCOL取得への努力は今後も続ける考えで、原子力オプション維持の有効性を強調している。

デューク社は今年5月にも、ノースカロライナ州におけるシアロンハリス2、3号機増設計画のCOL審査を、電力需要の伸び悩み等を理由に一時保留とする方針を決めたばかり。レビィ計画では、プログレス・エナジー社(昨年7月にデューク社が合併吸収)が110万kWのAP1000×2基をレビィ郡で建設するため76億5000万ドルのEPC契約をWH社らと締結したが、これは2014年1月までのCOL取得が前提となっていた。

しかし、NRCは2012年初頭にボーグル3、4号機計画およびV.C.サマー2、3号機計画にCOLを発給して以降、新たな発給をしていない。昨年8月には、数年前に改定した廃棄物信頼性決議が「現行法に違反する」と裁定されたのを受け、この問題が解決するまで新たな許認可発給を凍結するとの判断を下していた。

NRCはまた、デューク社がサウスカロライナ州で進めているウィリアム・ステイツ・リーV原発建設計画についても、COL審査の日程改訂版を今年7月下旬に同社に送り、予算的な制約等により発給が当初予定から3年遅れの2016年になると伝えた模様。同計画でデューク社は原子炉系統設備の位置を若干変更したほか、福島事故にともなう追加の耐震性分析の提出が遅れており、それらも審査の遅れにつながったと伝えられている。

DEFはレビィ計画について「もはや、当初予定していた時間枠の中でエネルギー需要を満たすオプションではない」としたものの、同サイトは将来の原子力発電の有望オプションであり、電源の多様化は持続可能なエネルギーの未来を創造する上で重要だと強調。州法のコスト回収条項とは関係なく今後もCOL取得を目指す考えを明らかにした。

州内で実際に原発を新設する最終判断については、エネルギー需要や建設コスト、炭素規制、天然ガス価格、現在および今後のコスト回収条項等に基づき、いずれ下すとしている。


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