「もんじゅ」運転管理強化 原子力機構改革 基本的方向取りまとめ

文部科学省の日本原子力研究開発機構改革本部(本部長=下村博文文科相)は8日、「もんじゅ」の運転管理体制の見直しを主な内容とする機構改革の基本的方向を取りまとめ、20日の原子力委員会定例会合で報告を行った。「もんじゅ」については、研究開発と運転管理の理念が混在していたことを問題ととらえ、組織上、これまで所長以下328名の「高速増殖炉研究開発センター」を、同280名程度の「もんじゅ発電所」(仮称)に改組し、スリム化を図ることとしている。同省では、原子力機構に対し、本方向性に従って、今秋を目途に改革計画を策定するよう求める考えだ。

改革本部は、「もんじゅ」で発生した機器の保守管理不備を踏まえ、6月より、機構の組織体制・業務の抜本的見直しに向け、検討を行ってきた。

今回示された「安全を最優先した組織への変革を目指して」と題する改革の基本的方向では、これまでのトラブル発生を受けた改革の経緯を振り返り、現状の厳しさを受け止め、抜本的に安全に対する意識改革を行うことが重要とし、「自らの行動によって原子力機構が変革したことを示す」よう促している。

機構の業務に関しては、社会的使命を念頭に、「総花的な業務内容を見直す」こととして、「福島第一事故原子力発電所への対応」、「原子力の安全性向上に向けた研究」、「原子力の基礎基盤研究と人材」、「核燃料サイクルの研究開発」に資源を重点的に配分するほか、量子ビーム研究、核融合研究開発については、他の研究機関への移管を含め、施設ごとに状況を検証し、切り離しを判断するとしている。

「もんじゅ」については、(1)トップマネジメントによる安全確保(2)電力会社の協力強化(3)メーカー体制の見直し――を柱に据え、理事長直轄の組織とし、現在の「高速増殖炉研究開発センター」を、運転・保守管理に専念する「もんじゅ「発電所」(仮称)に改組するほか、渉外対応などを一元的に支援する「もんじゅ発電所支援室」を新設する。また、電力出向者は、チームで責任部署に配属するなど、民間のノウハウや安全文化を取り入れる体制構築も図っていく。


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