汚染水問題、国が前面に出て対応強化 政府が基本方針 早期実現へ 遮水壁前倒しで

政府の原子力災害対策本部は3日、深刻化する福島第一原子力発電所の汚染水問題解決に向けて、関係閣僚会議の設置、陸側遮水壁建設を前倒しする財政措置などを盛り込んだ基本方針を取りまとめた。

対策本部長の安倍晋三首相は、「政府の総力を挙げ対策を実施する」として、国が前面に出て、これまでの「後手後手」ではなく、リスクを洗い出し、予防的かつ重層的に、抜本策を講じていく考えを述べた。

特に、技術的難度が高く国が前面に立って取り組む必要のある凍土方式の陸側遮水壁や、高性能の多核種除去設備については、それぞれ約320億円、150億円の財政措置を図るほか、予備費も活用し、早期の実現を促すこととしている。5月末に経済産業省の汚染水処理対策委員会がまとめた地下水流入抑制策で、2015年度上期とされていた陸側遮水壁の運用開始は、14年度中目途へと前倒しを目指し技術的課題の克服に努める方針だ。

政府の原子力災害対策本部に新たに置かれる「廃炉・汚染水対策関係閣僚会議」は、官房長官を議長、経産相を副議長とし、関係閣僚をメンバーに、今後、廃炉・汚染水対策の方針立案、工程管理、国内外への情報発信、風評被害対策などに取り組む。また、福島第一発電所の近郊に、関係省庁から常駐職員を派遣して現地事務所を設置、体制の強化を図ることにした。


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