ブラジルに駐在事務所を開設 中国核電公司

第3世代原子炉の技術習得と主要機器の国内生産専門機関である中国の国家核電技術公司(SNPTC)は8月29日、ブラジルのリオデジャネイロに駐在事務所を開設したと発表した。

ブラジル政府が2030年までに100万kW級の原子炉4〜8基の建設を計画していることから、昨年末から今年にかけて同国で販売促進イベントを開催したロシアのロスアトム社や日仏合弁企業のアトメア社と並んで、中国の独自技術による原子炉設計の販売を加速していく狙いがあると見られている。

SNPTCが国外に駐在事務所を置くのは米国、南アに次いで3か国目。8月27日の開所式には、在リオデジャネイロの陳小玲総領事のほか、中国国営の送配電会社や商工銀行などの代表を含め、50名以上の企業関係者が出席した。

中国はすでに、秦山T原子力発電所の設計をベースにした30万kW級のPWR「CP」をパキスタンのチャシュマ原発に輸出。稼働中の1、2号機に加えて、3、4号機を建設中だ。陳総領事はこのようなパキスタンとの良好な原子力協力に言及した上で、ブラジルとも今まで以上に広範かつ高いレベルで二国間協力を促進していきたいと強調。SNPTCがこれに新たな貢献をしていくことを期待すると述べた。

SNPTCはこれまでに、ウェスチングハウス社からAP1000の技術移転を受け、標準設計「CAP1000」の初期設計を昨年8月に完了。出力を140万kWに拡大した「CAP1400」では知的財産権も中国の保有となることから、山東省石島湾での実証炉建設後に同設計を海外輸出の選択肢とする可能性も高い。


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