課題の整理を議論 エネ調基本政策分科会 高レ廃棄物処分など

経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会(分科会長=三村明夫・新日鐵住金相談役)は4日、原子力政策の課題を、事故後に顕在化したものと、従来から指摘されているものとに整理し、委員からの意見を求めるなどした。

今回会合で、資源エネルギー庁は、福島原子力事故の反省を踏まえた安全規制の強化に加え、事業者による自主的な安全向上追及に向け、検討を始めているワーキンググループでの論点を説明した。これに対し、委員からは、日本の電気事業者のなれ合い的な体質を批判し、経営者の自覚や海外に学ぶ必要を指摘する意見があった。

一方、従来からの課題では、高レベル放射性廃棄物最終処分について、同調査会下、「放射性廃棄物ワーキンググループ」の委員長を務める増田寛也委員(野村総合研究所顧問)が検討状況を報告した上で、処分地選定調査にも着手できていない現状から、立地自治体の概念を今一度整理するとともに、特に、「バックエンドについては、全国の自治体に立地自治体として意識を持ってもらう必要」を強調するなどした。

資源エネルギー庁からは、再生可能エネルギーを巡る情勢についても説明があったが、今後のエネルギーミックスに関する議論に向けて、原子力から撤退する経営判断に踏み切る電力会社もありうるなどとする委員からの声もあった。


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