元経産相・直嶋氏が追及 参院経済産業委 汚染水問題で質疑

参議院の経済産業委員会(増子輝彦委員長〈民主党〉)は7日、福島第一原子力発電所事故炉の汚染水問題について、経済産業省、規制委員会、東京電力に対し、質疑応答を行った。衆議院経済産業委員会でも9月27、30日に閉会中審査が行われている。

その中で、鳩山内閣で経産相を務めた直嶋正行氏(民主党、=写真)が質問に立ち、まず、「解決に当たって与野党もない」と、汚染水問題の緊急性を強調した上で、国の対応姿勢を問いただした。これに対し、茂木敏充経産相は、「経産相としての先輩から、このような言葉があって心強い」とした上で、放射能影響が発電所湾内に限られていることから、汚染水は「制御されている」と述べ、汚染水が外洋に影響を及ぼさないよう、9月3日の原子力災害対策本部で決定された基本方針に基づき、予防的、重層的な対策を図っていく考えを示した。

直嶋氏がさらに、外洋と湾内との水の行き来から、汚染水は拡大しているのではなどと追及したのに対し、田中俊一規制委員長は、IAEAの天野事務局長からの提案も受け、現在、海外とも協力して海洋モニタリングを実施できるよう、外務省を通じ調整中にあることを述べた。また、汚染水処理後のトリチウムの扱い、海洋放出に関する直嶋氏の質問に対し、茂木大臣からは、汚染水を増やさないよう多面的な対策をとっていく必要が、田中規制委員長からは、リスク低減の考えから、排出基準を下回るものは放出もやむをえないことなどが述べられた。


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