バングラデシュの原子力導入計画 ロシアと設計契約に調印

バングラデシュの原子力導入計画を請け負っているロシアの原子力総合企業ロスアトム社は4日、両国が原子炉建設のための技術契約に調印したと発表した。今後2年間で100万kW級のロシア型PWR(VVER)2基の基本設計を行うとともに、来年初頭からバングラデシュの首都ダッカから160km離れたルプールで準備作業を開始する見通し。15年に本格着工した後、5年後の完成を予定している。

今回の契約はロスアトム社のS.キリエンコ総裁とバングラデシュのS.ハシナ首相が見守るなか、ロスアトム社傘下のエンジニアリング企業であるNIAEP―ASE社総裁とバングラデシュ原子力委員会の委員長が建設サイトで調印。その後、発電所の礎石を据える式典が行われた(=写真)。

両国は2011年2月の事前合意に基づき、同年11月にロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社を主契約者に選定。今年1月に環境影響調査やエンジニアリング作業など、関連文書の作成準備を目的とする準備作業にロシアが5億ドルを融資することで政府間協定を結んだのに続き、今年6月には同作業の実施契約を締結した。

今回、作業の開始が決まった基本設計は許認可手続きの基盤となるもので15年10月に完了予定だが、今年11月には優先工事事項や設置作業に関する実施契約も調印されることになっている。

採用設計はAES−2006モデルを改良した第3世代プラスの原子炉。NIAEP社が実施するエンジニアリング調査の結果やガンジス河畔のサイト条件に応じて最終決定するとしている。

なお、ダッカでは1日に原子力情報センターがオープン。昨年6月にロスアトム社とバングラデシュ科学技術省が結んだ覚書に基づき建設されていた。基礎的な原子力情報の流布と原子力に対する肯定的な印象の醸成に役立てるのが目的だ。


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