汚染水問題でIAEA協力強化へ 海洋監視や情報発信 天野事務局長 経産や規制委などと相次ぎ会談

IAEAの天野之弥事務局長は9、10日、日本政府関係者らと国内で会談を行い、福島第一発電所事故炉の汚染水問題への取組を評価するとともに、引き続き全面的に協力していく意向を示すなどした。

天野氏は9日、茂木敏充経済産業相を訪問し、現在、海洋への影響が港湾内0.3平方km弱にとどまっているとされる汚染水の状況について説明を受け、予防的かつ重層的に抜本対策を講じるべく、国内外に技術提案を積極的に求めている日本の取組姿勢を「重要な前進」と評価した。その上で、国際廃炉研究開発機構を通じて進められている技術提案の周知・募集に協力する意向を表明し、汚染水対策に対するグローバルコミュニケーションの重要性認識のもと、IAEA海洋環境研究所の活用等による的確なモニタリング実施とともに、世界への情報発信にも協力する用意があることを述べるなど、天野氏は支援の考えを示した。

また、天野氏は、9日に岸田文雄外務相、10日に田中俊一原子力規制委員長らを訪れ(=写真)、それぞれ、北朝鮮やイランの核問題、汚染水対策に関して会談を行ったほか、今回来日に際し、福井県とIAEAとの間で原子力人材育成に関する協力文書に署名が行われるなど、日本とIAEAとの協力強化に向け進展があった。


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