川内で防災訓練が実施 福島事故後初 OFC運営、ヨウ素剤配布他

政府主催の原子力総合防災訓練が11、12日、九州電力川内原子力発電所(=写真)の大地震によるトラブル発生を想定して行われた。官邸とも連携し、鹿児島県、関係市町村、電力他、約130の参加機関、参加人数合計約3400人のもと、オフサイトセンター運営、避難・救護活動、報道対応など、全般的な訓練を行い、今後の、防災体制充実に向け、各種計画・マニュアル等の検証、必要な見直しを図っていく。原子力災害対策特別措置法に基づき実施されるもので、福島発電所事故以降で、規制委員会発足後、初の開催となる。

訓練は、2号機の定格熱出力一定運転中、薩摩川内市沖で震度6強の地震と津波が発生し、原子炉自動停止、その後、震度5強の余震発生で、高圧送電線鉄塔の倒壊等により外部電源喪失となり、全面緊急事態となったという想定で行われた。規制庁長官から事故状況の報告、自治体への指示案などが官邸に提出されたのを受け、安倍晋三首相は、「原子力緊急事態宣言」を発出し、発電所から5km圏内の住民への避難、安定ヨウ素剤服用を指示するなどした。また、官邸では、関係閣僚参集のもと、現地と結んだテレビ会議を通じ、原子力災害対策本部会議の運営訓練も行われた。

16日の原子力規制委員会定例会議で、今回の訓練に関し、オフサイトセンター立ち上げ初期段階からの各班機能の集約、車両除染やスクリーニングの円滑な実施など、一定の評価が上がったものの、テレビ会議による情報共有、避難先への移動に伴い発生しうる障害に関し検討すべき改善事項が、外部専門家や参加者から指摘されていることが規制庁より報告された。田中俊一委員長は、「主人公はあくまで住民」として、情報伝達が必ずしも十分ではなかったなどと所感を述べた。


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