東レ、廃棄物容器の遮へい材 γ線を99%超遮へい

東レは9月19日、高い通気性と防塵性を両立する「高通気性粉塵防護服」、生分解性素材を用いてコンポストをはじめ様々な処分方法に対応可能な「易廃棄性粉塵防護服」、そして高強力ポリエステル繊維をベースに、γ(ガンマ)線遮蔽率99%以上の優れた放射線遮蔽性を有する「放射性廃棄物処理容器向け遮蔽材」(=写真)を開発したと発表した。今後加速する除染・復興作業における作業効率の向上と廃棄物削減に貢献すべく、2013年度内の上市をめざす。

除染で発生する放射性廃棄物の安全な仮置き方法の1つに、プラスチック製のドラム缶等に収容した後、周囲に放出される放射線を遮蔽するためにコンクリートリングを被せる方法がある。ただ、その方法に使用するコンクリートリングは重量があり取扱いが難しく、また使用後の処分も容易でないため、今後加速する除染・復興作業では、より作業性の高い遮蔽材の開発が望まれている。

東レが今回開発した遮蔽材は高強力ポリエステル繊維を使用した基布に特殊コーティングを施し、γ線遮蔽性、高耐久性、耐水性を付与した新素材。リング(浮き輪)状の袋の内部に水を充填して放射性廃棄物が収容されたプラスチックドラム缶の周囲に被せることで、99%以上のγ線遮蔽率(社内評価)を実現。また、5年相当の耐候促進試験(社内評価)でも品質を維持できる優れた耐久性を有する。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで