IAEA 除染、現実的な対応を助言 長期目標の1ミリSv 「こだわる必要ない」

除染活動の支援、助言を行うため今月14日来日した国際原子力機関(IAEA)の調査団は21日に環境大臣に中間報告書を提出し、レンティッホ団長が都内で会見した。

レンティッホ団長は会見で日本政府の掲げる除染の長期目標である年間追加被ばく線量1ミリシーベルトについて「必ずしもこだわる必要はない」との認識を示した。また「国際的な基準である年間1〜20ミリシーベルトの範囲内で、利益と負担のバランスを考え、地域住民の合意を得て決めるべきだ」と現実的な対応をはかるよう助言した。

提出されたIAEAの報告書では「追加個人線量が長期の目標であり、例えば除染活動のみによって、短期間に達成しうるものではないことを説明する更なる努力をなすべき」とし、「この戦略の便益については、生活環境の向上のために不可欠なインフラの復旧のために資源の再配分を可能としうるものであり、人々に入念に情報伝達されるべきである」と、地元住民等にていねいに説明をする必要があるとした。IAEAは、この難題に協力する姿勢も示した。また報告書は「日本は環境回復活動において十分な進捗を達成している」との評価を与え、「復旧及び復興と調整して実施される環境回復活動が、良好に進捗していることを確認した」と、総じて日本の取組みが成果を挙げつつあるとの認識を示した。

IAEAはこの調査にもとづき検討を進めることとし、年内にも最終報告書を日本政府に提出する予定としている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで