英政府、ヒンクリー計画の買い取り価格で合意 25年ぶりの新設計画が具体化

英国政府は21日、サマセット州でヒンクリーポイントC(HPC)原子力発電所の建設計画を進める仏電力(EDF)グループと、同計画の投資契約に関する主要項目で商業合意に達したと発表した。同発電所の発電電力を政府が買い取る際の行使価格が決定したもの。今後、この投資契約を欧州委員会(EC)が国家補助規則に照らし合わせて承認し、同計画に新たに加わった中国の2社を含めて建設・運営会社の株主が最終的な投資判断を下せば、同国で25年ぶりのサイト許可を得た原子炉新設計画が2023年の運開を目指して具体的に動き出すことになる。

行使価格は92.5ポンド/1000kWh

この合意内容は同日、エネルギー気候変動省(DECC)のE.ディビー大臣が議会下院に詳細を説明した。政府は昨年11月、原子力などのエネルギー開発プロジェクトで不確定要素を減じ、多くの投資家を惹き付けるため、低炭素電源からの電力を固定価格で差金決済(CfDs)する制度を電力市場改革法案に盛り込んでおり、HPCは同制度の下で建設される最初の原発となる。

仏アレバ社製の欧州加圧水型炉(EPR)を2基建設する同計画では、1000kWhあたり92.5ポンド(約1万5千円)を固定価格として決定。市場の卸売価格がこれを下回った場合は政府がEDFに差額を支払う一方、逆の場合はEDFが差額を支払う。ただし、EDFの建設・運営会社がサイズウェルCサイトでのEPR新設計画を確定すれば、同設計を初めて建設する際にかかる経費を両計画で共有できるため、HPCの行使価格は89.5ポンドに引き下げられるとしている。

CfDs制度による支払期間は35年で、HPC原発の運転寿命として設定された60年間の6割に相当。これは多くの再生可能エネルギーに提案されるCfDs適用期間と同程度になると説明した。行使価格の約2ポンド相当が廃止措置に伴う浄化経費として積み立てられるが、最も低価格な大規模再生可能エネルギーである風力発電など、その他の低炭素電源や、HPCと同じく2020年代に起動する新規のガス火力と比較してもHPCには競争力があると政府は強調している。

また、財務省は今年6月、政府の信用保証制度である「UKギャランティ」にHPC計画を予備認定。同制度は民間投資家からの資金調達が困難なインフラ・プロジェクトに信用保証を提供するもので、同計画の総工費160億ポンドのうち65%を保証する件についてEDF社と財務省が協議を継続中となっている。

中国が3〜4割出資

今回の合意については事業者のEDFエナジー社も同日、概要を公表。EDFグループが同建設計画に45〜50%、アレバ社が10%を出資するのに加えて、17日の英中両政府の原子力協力覚書締結(別稿参照)に伴い、中国核工業集団公司(CNNC)と中国広核集団有限公司(CGN)が合わせて30〜40%を負担することになったと明言した。また、その他の関心企業についても、15%までの出資比率を念頭に協議中だとしている。


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