[新刊抄]土壌汚染― フクシマの放射性物質のゆくえ 中西 友子著

福島原子力発電所事故から出た放射能はどこへ行ったのか。

震災直後から復興支援に取り組んでいる東京大学農学部を拠点に行われた調査研究から、農業を営む上で貴重な資源である土壌の汚染、農作物が吸い上げた放射性物質の実態について、演習林や牧場等で行われた実験結果を通じ本書は解明する。

国の原子力安全委員会の専門委員も務めた著者は、信頼度の高いデータ分析結果から、今後の除染対策のあり方や、食品安全にも拠り所を与えてくれる。

福島の農作物は、われわれの食を支えている。米も収穫期を迎え、秋の味覚が食卓を彩るこの時期、一方、いまだ原子力災害に伴う風評被害の問題が叫ばれているところ、一読してみてはいかがだろうか。

NHK出版刊、B6判224頁、998円(税込)。


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