欧州の2国と原子力協定 韓国、原子力輸出拡大にらみ

韓国は18日にハンガリーと、23日にはフィンランドと相次いで平和利用分野における二国間の原子力協力協定を締結した。

2009年末にアラブ首長国連邦(UAE)から韓国の最新原子炉設計である改良型加圧水型炉(APR1400)を4基建設する契約を受注して以降、同国政府は原子力を代表的な輸出産業に育成していく政策を11年に確認。新たな原子炉の建設計画が浮上しているハンガリーとフィンランドにも積極的に売り込み活動を展開していく考えだ。

ハンガリーとの協力協定は同国のJ.マルトニ外相と韓国の尹ビョン世外相がソウルで調印。ハンガリーの原子力市場に韓国が参入するための法的、制度的な枠組が設定されており、原子力安全や先進技術の共同研究、および情報と人材の交換などで協力していく。

ハンガリーではロシア製の50万kW級PWR4基から成るパクシュ原子力発電所が唯一稼働中で、同国の規制当局は昨年12月、1号機の運転認可を32年まで20年間延長することを承認。同原発を所有する国営MVM社は同サイトに2基を増設するため、出力や資金の調達方法を再検討すると伝えられている。

一方フィンランドとは、同国のJ.カタイネン首相と韓国の鄭ホン原首相がヘルシンキで協力協定に調印した。同国ではテオリスーデン・ボイマ社(TVO)がオルキルオト原子力発電所4号機の建設計画で国際入札手続きを進めており、候補メーカー五社のうち韓国水力原子力(KHNP)の率いる韓国原子力産業チームが出力145万kWのAPR1400を提案中。韓国原発の安全性と技術力を立証するとともに、欧州の原子力市場に進出する足がかりを築くことを狙っている。


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