進む燃料デブリ対策 廃止措置進捗状況 水上ボートで実証も

資源エネルギー庁は10月30日、福島第一原子力発電所事故炉廃止措置の進捗状況を発表した。

滞留水処理で、放射性物質濃度を低減する多核種除去設備のホット試験は、A系が10月に再開、C系も9月に開始された。B系も11月中旬より再開予定となっており、これらの運転に伴い発生する廃棄物を移送・貯蔵する高性能容器(HIC)についても、12月より改良型を導入する予定だ。

タンク増設は、月15基・1万5000立方メートル程度で進め、年度内に貯蔵容量を約50万立方メートルに、14年度以降、さらにペースを上げ、15年度末を目途に80万立方メートルにまで増強するほか、H4エリアタンクの水漏れを踏まえ、ボルト締め型をリプレースしていく。

使用済み燃料プールからの燃料取り出しは、初号機となる4号機で、11月中旬からの開始を見込み、がれき撤去、取り出し用カバー設置等の準備工事を進める。現在、1533体が保管されている燃料は、より安定的に保管するため、別建屋の共用プールに移動することとしており、14年度末頃の取り出し完了を目指す。

燃料デブリ取り出しについては、遠隔技術基盤高度化として開発を進めてきた「遊泳調査ロボット」の実証試験を、11月にも1号機原子炉建屋で実施する予定となっている。これは、水没部の漏えい箇所調査に向け、水上ボート(=写真)を用い長尺ケーブル操作技術の実証などを行う。


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