岡山大学が来年1月に 「耐災安全・安心センター」設置 放射性廃棄物の処理処分等 国際水準の人材育成へ

岡山大学は来年1月に「耐災安全・安心センター」を設立し、原子力施設など大規模プラントの耐災化等の分野で求められる人材を育成する拠点整備を進める方針だ。

福島第一原子力発電所の事故で、放射性廃棄物の処理・処分が大きな課題となっており、今後事故処理には数十年単位の長期間を要すると想定されるが、日本では放射線科学と原子力工学の基礎知識を有し、放射性廃棄物処理・処分に従事する技術者が足りない現状にある。

そこで、岡山大学は国内外の協力・連携をはかりながら、住民の放射線影響評価や健康管理、除染作業者の安全管理、放射性廃棄物処理・処分等を担う技術者の育成などを進める拠点を作って、この長期的な課題に対応をはかることにした。

すでに今年の4月から文部科学省の大学機能強化戦略の一環で「原子力施設耐災化と放射線廃棄物処理・処分・除染に係わる教育・研究拠点−負の遺産の軽減に向けて−」プロジェクトを開始、放射線科学など原子力関連の基礎教育等の実績をふまえて、より高度で国際的な視野を有する人材育成を展開する方針。

来年設置されるセンターでは、来年4月を目標に、大学院コース「原子力と社会の安心・安全プログラム」、集中コース「施設耐災化と放射性廃物処理・処分国際研究研修プログラム」を整備する。大学院プログラムでは、前期課程で20から30名、後期課程で5人程度の学生を募集する。集中コースでは各授業科目で国内外の原子力関連企業、教育・研究機関から15名程度の研修生を募集する計画だ。

国際原子力機関(IAEA)や日本原子力研究開発機構(JAEA)をはじめ、原子力教育連携ネットワーク(JNEN)という大学等の枠組みとも連携し、原子力施設耐災化と放射性廃棄物処理・処分、社会の安全・安心の各分野における中核となる国際水準の人材育成をめざす。

人間や組織の危機管理学など社会学のカリキュラムも導入して幅広い視野をもった人材の育成を重視、将来的にはアジア地域大での優れた人材輩出を視野に準備を進めていく考えだ。


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