現場のモチベーション向上を 東京電力福島第一 緊急安全対策取りまとめ

東京電力は8日、福島第一原子力発電所の廃炉作業に関する緊急安全対策を発表した。汚染水・タンク問題への対応加速化・信頼性向上に向け、労働環境の抜本的改善、安全・品質確保のマネジメント強化、設備の恒久化などを図り、現場の志気高揚にもつなげていくもの。

去る10月28日、東京電力・廣瀬直己社長は、原子力規制委員長との会談で、福島第一事故炉の現状に関し、「安全を確保する観点から、極めて憂慮すべき事態」として、早急な解決策を打ち立てることを求められた。

これを受けて、廣瀬社長は8日、同社本店で記者会見に立ち、ハード面、ソフト面、現場のモチベーション向上に関わる総合的対策を、優先順位を付け迅速に実施していく考えから、7項目の緊急安全対策を取りまとめ発表した。

その中で、作業安全関連では、今後、除染作業を加速化し、全面マスク着用の省略可能エリアを拡大していき、作業員同士のコミュニケーション向上にもつなげるほか、新事務棟を15年度までに、1200名収容の大型休憩所を14年末までに整備するなど、厚生施設の改善にも努めていく。

また、協力企業とのコミュニケーション強化、現場の指揮系統における責任所在の明確化、専門スタッフ配置、関連部門の組織・要員を全社レベルで拡充させるなど、安全・品質確保のマネジメント・体制強化も図る。

さらに、今後、長期にわたる廃炉作業を着実に進めるため、設備の恒久化に順次取り組むほか、タンクの増設・リプレイス、多核種除去設備の増強など、汚染水を適切に管理するための貯蔵計画も進めていく。


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