福島第一・4号機の使用済み燃料 取出し作業を開始 廃炉に向けて一歩前進

東京電力は18日、福島第一原子力発電所4号機使用済み燃料プールからの燃料取り出し作業を開始し、19日までに22体を燃料ラックから取り出して構内用輸送容器に装てんした。20日以降、輸送容器の除染、共用プールへの移動に入る予定だ。(写真は構内用輸送容器の吊上げの様子)

4号機使用済み燃料プールには、1533体の燃料(使用済み燃料1331体、新燃料202体)が保管されており、取り出した燃料は、より安定的に保管するために、同機とは別建屋にある共用プールに移動する。今回扱う燃料22体は新燃料だが、取り出しに際しては、燃料の健全性を確認した上で一体ずつ行い、燃料プール内で輸送容器(22体収納可能)に装荷し、共用プールに搬出する。輸送容器2基で効率化を図るが、完了は14年度末頃を見込んでいる。

東京電力では、作業開始に先立ち、燃料取り出しの潜在リスクに対する準備状況について、社内の原子力安全監視室他、外部専門家グループからのレビューを実施した。

廣瀬直己社長は18日、「今後30年から40年かけて行う福島第一発電所の廃炉作業における重要なステップの1つ」とみて、引き続き、安全かつ着実に作業を進めていくとしている。

原子力規制委員会では、使用済み燃料取り出し開始に当たり、本庁から緊急事態対策監を派遣するなど、当面の現場作業確認体制を強化することとした。


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