チェルノブイリで排気筒撤去 ウクライナ

ウクライナのチェルノブイリ原子力発電所で1986年に事故を起こした4号機、および3号機が共有していた第2ステージ排気筒(VS2)の撤去作業が進んでいる。

この作業は4号機の石棺修復で新しくアーチ型の閉じ込め覆いをかぶせるために必要で、国内のUkrtransbud社が昨年4月に欧州復興開発銀行(EBRD)と結んだ作業契約の一部として実施中。VS2は直径9mの円筒形ブロックを縦に7つ積み重ねた構造(=写真)であり、全長75.5m、総重量は330トンに到達する。

地上150mの高さに位置する頭頂部のブロックは、すでに10月31日に負荷容量1600トンのクレーンを使って粉砕用の特別エリアに吊り下ろされた。また、上から2番目のブロックの支持構造体も今月5日にVS2から取り外され、同じエリアに配置。これらは検査後に廃棄するため、3号機のタービンホールに一時的に保管されることになる。

これらの作業は特別な訓練を受けた作業員が最新技術で作られた防護装備を身に付けた上で行っており、12月10日までに全作業を完了する計画となっている。

なお、新たなアーチ型の閉じ込め覆いは4号機の隣接エリアで2万9000トンの鋼材を使って建造後、4号機の石棺上までスライドさせて設置する予定。完成は2015年になると見られている。


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