SMR開発で共同出資者募集 米・B&W社

米エネルギー省(DOE)による認可・技術支援を受けながら電気出力18万kWの小型モジュール炉(SMR)「mPower」を開発しているバブコック&ウィルコックス(B&W)社は13日、2022年までに初号機を完成させる建設準備活動等のために共同出資者の募集を加速すると発表した。

mPowerは受動的安全系を備えた地下建設式・一体型PWRとなる予定で、B&W社は同設計を開発するチームとして、「ジェネレーションmPower(GmP)社」を2010年にベクテル社と設立。顧客のテネシー峡谷開発公社(TVA)とも連携し、テネシー州オークリッジにあるTVAのクリンチリバー・サイトでmPower初号機の商業運転開始を目指している。

DOEは「米国の技術でクリーン・エネルギーを作り、世界に輸出する」というコンセプトの下、民間とのコスト折半によりmPowerのような有望なSMR設計2件の商業化を22年までに実証支援するプログラムを実施中だ。今年4月に初年度分の支援金7900万ドルをB&W社に支払う資金調達協力協定書に調印したのに続き、8月には2050万ドルを追加。最終的に連邦予算から2億2600万ドルが提供されることになっている。

一方、B&W社はこれまでに3億6000万ドル以上をmPower開発計画に投入したが、今後、建設段階に進んでいく上で経費はさらに膨らむとの予測がある。このため、十分な資源を今後数年間にわたって確保する必然の一歩を踏み出し、商業化の成功を確実なものとするには、GmP社も企業として成熟すべき時期に来たと判断。実際、同設計では来年にも米原子力規制委員会(NRC)による設計認証(DC)審査を正式に開始する予定で、mPowerを間断無く認可の取得と建設の段階に移行させるために、GmP社株の過半数を譲り渡せるパートナーを産業界から幅広く確保したいとしている。

B&W社は現在、GmP社株の9割を保有しており、株売却に際して財政アドバイスを受ける契約をJPモルガン社と締結。自社の持ち株比率を20%まで下げるとの情報もある。ただし、mPowerの原子炉モジュールと燃料の製造権はB&W社がそのまま保持する方針。米国における原子力機器製造インフラを活性化し、米国経済に新たな雇用を生み出せるよう、モルガン社を通じて米国内の企業を対象に幅広く計画への参加を呼びかけていく考えだ。


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