ブルガリア、国内3基目の建設計画を発表 AP1000を1基、増設へ

ブルガリアのD.ストイネフ経済エネルギー大臣は25日、5、6号機のみが稼働するコズロドイ原子力発電所サイトに、ウェスチングハウス(WH)社製の第3世代設計・AP1000を採用した7号機を増設する計画を発表した。昨年3月に、ロシア製の100万kW級PWRを2基建設するベレネ原発計画が頓挫したのに代わるもので、P.オレシャルスキ首相はエネルギー関係のパートナーをロシア以外に多様化する狙いに言及した模様。年内にも閣議決定し、2016年に起工式などの建設準備を始めたいとしている。

ブルガリアでは2006年に当時の社会党政権がベレネでのプロジェクトの主契約者としてアトムストロイエクスポルト社を選定して建設計画を進めていたが、2012年1月に発足した中道右派政権は同年3月に同計画を打ち切り、その代わりにコズロドイ原発に1基増設する計画を検討。ベレネ用に購入済みのロシア製機器をWH社製の計装制御系や燃料、および親会社の東芝製タービン発電機と組み合わせるハイブリッド化構想について、WH社に実行可能性調査を依頼していた。

しかし、今年2月に同国各地で電気代の高騰に対する抗議デモが多発したのを受けて同政権は総辞職。コズロドイ7号機増設計画の行く末が危ぶまれていたが、5月末に誕生した社会党の率いる中道左派連立政権は、国内でコンスタントに増加する電力消費に対応するためには、新たなエネルギー・プロジェクトが必要との判断に至った。

ストイネフ大臣は「新たな電源設備への建設投資を今、始めなければ、2035年には国内に1基の原発も残されていないかもしれない」と指摘。その頃には火力発電所も半数が閉鎖し、水力と再生可能エネルギーのみに頼ることもできないため、新たな原子炉こそ、80年間にわたってクリーンで廉価なエネルギー供給をブルガリアに保証することができると強調した。

また、競争入札をせずにAP1000を選択したことに対する野党勢の非難には、「すでに中国と米国で複数の建設計画が先行しているため、問題が生じた場合でもブルガリアには対応する時間的余裕がある」と反論。英国や仏国、フィンランドといったEU諸国でも入札なしに同様の原子力プロジェクトが進められていると説明した。

現在の計画では、同大臣が来月始めにも内閣に7号機増設計画に関する報告書を提出。承認が得られれば来年1月初頭に作業部会を複数設置し、16年の建設準備開始を目指すとしている。

現地の報道によると、内閣承認後のステップとしては、国営ブルガリア・エナジー・ホールディング社に交渉権を委託し、半年以内に投資規模の明確化と資金調達モデルの準備を実施。すでに米国政府の輸出信用機関である輸出入銀行が同プロジェクトへの融資意志を表明したと伝えられている。


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