IAEA専門家会議に出席 中高生のための原子力科学技術教育で議論 東京大学 飯本 武志 准教授

第1回「中高校生のための原子力・科学技術教育プログラム及びツールの開発に関する専門家会議」が19日から22日まで、IAEA本部(ウィーン)で開催された(=写真)。

2012年〜15年の4年プロジェクト「アジア/太平洋地域の持続性と国立原子力研究機関のネットワーク化の支援活動」の一環である。本会議への日本人専門家派遣について、原子力人材育成ネットワーク共同事務局である原産協会にIAEAより照会があったことから、飯本武志・東京大学環境安全本部准教授に出席を要請した。他に韓国、インド、豪州、英国、米国、イスラエル、フィンランドおよびIAEAの担当者が参加した。

今回の会議では原子力分野の長期的な視野での人材育成を目的とし、中学生、高校生(セカンダリー・スクール)を対象とした教育プログラムについて、原子力科学技術分野(NST)に限ることなく、科学技術・工学・数学(STEM)を網羅する教育内容とし、科学全体に魅力と興味を感じる土台を作ることを基軸とした。また、女子生徒へのSTEM教育の重要性も強調した。

各国からは、政府系研究機関や産業界等が主催する教育実践、展示物の事例が紹介され、我が国からは簡易放射線測定器「はかる君」と霧箱実験等を組み合わせた出前授業としての教育プログラム等を紹介した。

今後の具体的な活動方針として、(1)各国で実践されている魅力あるSTEM/NST教育プログラムやツールをさらに持ち寄り、その特徴を整理(2)太平洋地区のいくつかの国を教育プログラム適用のモデル国として選定し、教育パッケージ事例を試験適用(3)IAEAとしてのSTEM/NST教育パッケージを策定し、各国に提供――することを予定している。


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